買ってきた日の、夜
夏休みの最後の週末。双子の兄のかえでが売り場で選んだのは、薄いベージュの、小さいほうだった。水筒は、中に入れて、横のファスナーから出し入れする形。その日の午後、リュックは、ダイニングの椅子の背に掛けておいた。
その夜、子どもたちが寝たあと、みはるさんは、スマホで作り手のページを開いた。買う前には、開いていなかった。

ページには、こう書いてあった。「ガジェタブルシリーズの使い勝手の良さはそのままに」。「働く大人の通勤シーンだけでなく」。同じ名前の、大人の大きさのリュックも、「通学・通勤リュック」として並んでいた。
「大人の仕事のリュックと、同じ名前?」
通勤電車から始まった形
作ったのは、エース。1940年に、大阪のかばんの製造卸として始まった会社だ。会社は、1953年に作ったナイロンのバッグを「すべてのエース製品の原点」と呼ぶ。
大人用の「ガジェタブル」は、2018年に生まれた。仕事にリュックを背負う人が増えて、混んだ電車の中での持ち方が、問題になっていた。作り手は、手に持つ、棚に上げる、前に抱える、どの持ち方でも使える形を考えた。2019年にグッドデザイン賞を受けたのは、この大人用だ。
子どもの、今のために
子ども用を作ったのは、取材記事によると、社内の子育て中の社員が集まったチームだった。担当者は、こう話している。「大人の通勤リュックは年々バージョンアップしているのに、ランドセルは昔から『あの形』のまま」。「6年間一緒に歩むというよりも、今をもっと快適にするという発想」で、今使っているランドセルに、子ども自身が不満をもっている場合の「一つの選択肢」になってほしい、と。
作り手は、保護者に話を聞き、小学生に実際に使ってもらってから売り出した。2025年12月にネットの店で先に売り始め、2026年2月から全国の店で順に並べている。大人用をもとにしたのは、子どもがなじまなかったときも、親が「自分も使えるから」と試せるように、と担当者は話す。
子ども用には、通学のための物も付いている。暗い道で車のライトを返す、反射のワッペン。防犯ブザーを付ける輪。鍵を付ける所。作り手は、「通学時の安全性を高めるため」と書いている。中には、名札やメモを入れておける、半透明のポケットもある。
始業日の、前の夜
始業日の前の夜、かえでは、リビングの床で、新しいリュックに荷物を詰めていた。
みはるさんは、小さな紙に、ひとこと書いて渡した。かえでは、それを読んで、リュックの中の、半透明のポケットに差し込んだ。

ファスナーを閉めて、かえでは、リュックを玄関へ運んだ。

合う家、合わない家
ランドセルの次を、子どもが選ぶなら、合う1つ
入学のときに6年使うつもりで買う物というより、2年生以上の子が自分で選ぶ物をめざして作った、と担当者は話しています。通学リュックの選び方で見る3つに当てはめると、こうなります。
- 上の端と下の端:大きさは3つ。高さは、小学生のサイズが35cm、中高生から大人のサイズが39cmと43cmです。作り手は、小学生のサイズを「小学生の通学を想定」と書き、身長の目安は書いていません。店で、背負って確かめてください。
- 水筒:中のボトルホルダーに入れて、「サイドのファスナーから出し入れも可能」。ホルダーは中の横の側にあります。入る水筒の大きさと、重さが真ん中に寄るかは、書いていません。
- 重い物を入れる位置:パソコンやタブレットを入れる所は、「背面側」。
うちの水筒を持って、店で入れてみてください。
合うのは、こんな家
- 今のランドセルやかばんに、子どもが不満を言っている家。2年生以上の子が自分で選ぶ1つとして考えた、と担当者は話しています。
- タブレットを、ほかの荷物と分けて、背中の側に入れたい家。作り手は、本体とは別の所に「ケースごと収納できます」と書いています。参考の寸法は31×22×2.3cm。学校から配られた端末は、ケースごと厚いことが多いので、ケースごと測って行くと確かです。
- 水筒を、本体を開けずに出し入れしたい家。横のファスナーから出し入れする作りです。子どもの手で取れるかは、店で確かめてください。
- 家の鍵や、防犯ブザーを付ける所が要る家。鍵を付ける所、防犯ブザーを付ける輪、反射のワッペンがあります。
- 子どもが使わなくなっても、親が背負える物がいい家。小学生のサイズでも「大人の方でも問題なく」使える、と担当者は別の取材で話しています。もう一つの取材では「小柄な方なら」とも。
合わないのは、こんな家
- 学校が、通学かばんをランドセルと決めている家。ランドセル以外で通えるかは、学校の決まりで確かめます。
- 入学のときに、6年使う1つを選びたい。担当者は「小学1年生で最初に買うランドセルというよりは」、2年生以上の子が選ぶ物をめざした、と話しています。
- 大雨の中でも、中身を濡らしたくない。作り手は「完全防水仕様ではありません」と書いています。
- 使うほど味が出るかばんがいい。革のかばんのようにはならず、使ううちに「くったり感は出てくる」と担当者は話しています。
- いちばん軽いかばんがいい。小学生のサイズで940gです(町田市教育委員会の荷物の重さの表では、リュックの参考の重さは0.6kg、ランドセルは1.5kg)。
- 紺がいい。小学生のサイズは6色で、紺はありません。
- 値段を抑えたい。みはるさんにとっても、前のリュックより高い1つでした。値段は、下の「買える所」に店ごとに書いています。
この1つの要点
- 型番エース ace.GENE ガジェタブル U 通学リュック 小学生サイズ(20071)、サンドベージュ
- 大きさと重さ幅26cm、高さ35cm、奥行き12cm(広げると16cm)、940g
- 入る物A4のファイル(作り手の参考の寸法 31.3×23.1cm)、13.3インチのパソコンに対応(背面側。参考の寸法 31×22×2.3cm)。容量は、作り手のページに「12/16L」と「13/17L」の2通りの表記があります
この1つを買える所
作り手の直営店や百貨店でも扱っています。在庫は店ごとに違います(作り手の公式通販の「店舗在庫を確認する」は、前日の情報です)。
もう少し詳しく
- 大きさ小学生のサイズ:26×35×12(16)cm・940g・6色中高生から大人のサイズ:28×39×14(18)cm・1,020g・3色・税込26,400円、30×43×14(18)cm・1,110g・3色・税込27,500円(作り手の数字。かっこの中は、マチを広げたとき)
- 生地ポリエステル(900デニール。糸の太さの単位で、数が大きいほど太い糸)、PU加工(ポリウレタン樹脂のコーティング)。完全防水ではありません
- 出た時期子ども用は2025年12月にネットの店で先に発売。2026年2月20日から全国の店で順に発売
- 作る所作り手のページには、書いてありません
- 手入れ土ぼこりはブラシでたたく。汚れたら、中性洗剤を含ませたタオルで拭き、水拭き、から拭き(取材での作り手の言葉)
- 保証作り手の保証の決まりでは、正規の店(アウトレットを除く)で買った ace.(エースジーン)のバッグは5年。素材や作りの不具合なら、無償で修理。ファスナーなどの、ふだん使ううちのすり減りは含みません。保証書はなく、買ったことを示すもの(レシートなど)が要ります
- 修理保証の期間を過ぎても、見積もりのうえで受け付けています
- 困ったときエースカスタマーセンター(平日 10:00〜16:00。作り手の問い合わせのページから)


