箱が届いた日の、午後
夏休みの最後の週。箱が届いたのは、午後だった。小学5年の息子のかえでは、練習に出ていて、まだ帰っていない。
かえでの足は、22.4cm。22.5の白い上履きを、作り手が楽天市場に出している店で頼んだ。合うかどうかは、かえでが帰ってから、部屋の中で履いて確かめる。
みはるさんは、ダイニングのテーブルで箱を開けた。白いバレーシューズ。甲に、白いゴムのバンドが1本。新聞紙を広げて、去年の上履きを横に置いてみる。同じ作り手の、同じ形。新しいほうが、少しだけ長い。
つま先は、底とひと続きの、厚い覆いになっている。去年のにも、ある。

「つま先だけ、どうして、別になっているんだろう」
スマホで、作り手のサイトの、この上履きの説明を開いた。
足袋の店から、上履きへ
作ったのは、ムーンスター。福岡県久留米市の会社だ。
始まりは、1873年。久留米で、足袋を作る店だった。大正のころには、足袋の底にゴムを貼った地下足袋を作り、1925年に運動靴を作りはじめた、と久留米市の資料は書いている。
ムーンスターによると、学校で上履きを履くことが広まったのは、1950年代。年表は、そのころに作った子ども向けの靴が、今の上履きの原型になったとされる、と書いている。上履きの手本はバレエの靴だった、と日本経済新聞(2022年11月)は伝えている。
つま先の、2つの答え
1つ目の答えは、作り手のサイトの品の説明にあった。「ソールと一体成型されたトゥガードが足指を保護します」と、ムーンスターは書いている。
2つ目は、色の話だ。ムーンスターは1964年、つま先と底のまわりに色を付けた上履きを出した。作り手が取材に協力した記事(NTTコムウェア「COMZINE」、2013年)によると、それまで上履きは白一色で、色を付けたのは、学校ごと、学年ごと、男女ごとに見分けやすくするためだった。
みはるさんが頼んだ白い1足にも、同じ所に色の付いた色違いがある。かえでとあやめの学校は「白のバレーシューズ。つま先の色は自由」なので、去年と同じ白にした。

白い布を、毎週
上履きの布は、綿。ムーンスターは1994年から、テフロン加工の靴を作ってきた。サイトの、この1足の説明には「防汚性、撥水性、撥油性に優れた『テフロン(TM)』をアッパーに施しています」とある(楽天の店の説明は「撥水性」だけ)。ただ、ムーンスターは2010年のページで、テフロン加工の靴を「完全防水ではありません」とも書いている。
二学期の、最初の週末
二学期が始まって、最初の週末。前の日の夕方、かえでとあやめが、上履き袋を持ち帰ってきた。学校の決まりで、週末に持ち帰って洗う。白い上履きは、どちらも、1週間ぶん、くすんでいた。
朝、みはるさんは、作り手の「上履きの洗い方」のページを開いた。ぬるま湯に洗剤を溶かして、しばらくつけておく。柔らかいブラシで、中から外へ、かき出すように。
「やる」
かえでが、自分の上履きのブラシを取った。あやめの1足は、みはるさんが洗う。

水気をきって、中にいらないタオルを詰める。ベランダは、朝のうちは日が当たらない。壁ぎわの日陰に、かかとを下にして、4つ並べて立てかけた。

昼、日がベランダに回る前に、みはるさんは、上履きを、あやめの部屋の、風の通る北の窓ぎわへ移した。そのページには、直射日光で乾かすと、色が変わったり形が変わったりすることがある、と書いてあった。
週が明けた朝、かえでとあやめは、上履き袋を持って、学校へ出かけた。
合う家、合わない家
学校の決まりが、甲にゴム1本の上履きなら、合う1足
この形を、バンドバレー型と呼びます。形と底の素材(この1足は塩化ビニル)が決まりと合えば、次は色と大きさです。上履きの選び方で見る3つに当てはめると、こうなります。
- 学校の決まり:甲にゴムのバンドが1本のバンドバレー型。色違いは、つま先と底のまわりに色が付きます。プリントの決まりと合うかを見ます。
- 大きさ:21.0cmまでは1cm刻み、21.0cmから28.0cmまでは0.5cm刻み、その上は29.0cmと30.0cm。幅は「2E」の1つだけです。つま先に覆いがあるので、押しても余裕は分かりません。上履きの選び方の記事の、紙で靴の中の長さを測る方法で確かめます。この1足のサイズの数字と足の長さの対応は、作り手のページに書いてありません。届いたら、部屋の中で履いて確かめます。
- 次に測る日:長い休みの明けと、運動会のような行事の前に。今の靴に残りが少ない子は、早めに。足指が先にぶつかる・きつい、布や中敷きが切れた、かかとがつぶれた、底がすり減って滑りやすい。どれかがあれば、はき替えどきです(日本学校保健会の冊子の点検表)。
合うのは、こんな家
- 学校の決まりが、白か学年の色のバンドバレー型の家。色違いも、同じ作りです。
- 毎週、白い布の上履きを洗う家。布にテフロン加工がしてあり、ムーンスターのページに、上履きの洗い方の案内があります。
- 店に連れて行けず、家で、部屋の中だけで試してから名前を書きたい家。下の店は、大きさの交換の決まりを書いています。
合わないのは、こんな家
- 学校の決まりと合わない家。品番や買う店まで決めている(作り手も、指定のある学校には「学校指定売店」で買うよう勧めています)、「ゴム底」とある(この1足の底は塩化ビニル=PVC)、「甲を覆うタイプ」などとある(この1足は、甲にバンドが1本の形)。
- 学校が形を決めていなくて、調整できる形を選びたい家。上履きで体育をする学校の家も、読んでください。日本学校保健会の2009年の学校向けの冊子は、この1足と同じバンドバレー型について、値段が安く、どこでも買える良さを挙げたうえで、「足の指の自由がかなり制約されるものもあり、クッション性も充分とはいえないようです」と書いています。また「靴底が滑りやすく踵も脱げやすいものが多い」ので、体育館での授業では注意が要る、とし、ひもや面ファスナーなどで調整できるものが望ましい、としています。学校がこの形を決めているなら、履いて、かかとが脱げないか、底が滑らないかを見ます。
- 足の幅が広い、または細い家。幅は「2E」だけです。履いて、小指の付け根が赤くなる、甲が浮いて中で足が動く、なら合っていません。ムーンスターは、大人向けの靴の選び方の記事で、幅の広い足には3E以上を、としています。
- 21.0cmより小さい子で、ぴったり合わせたい家。21.0cmまでは1cm刻みです。足の長さが数字の間に来ると、つま先の余裕が大きくなりやすいので、履いて確かめます。
- 値段を抑えたい家。学校の案内に「500〜1000円」ほどの目安を書く所もあります。この1足は、その目安より高めです。値段は、下の「買える所」に。
- 洗濯機で洗いたい家。作り手が案内する上履きの洗い方は、つけ置きとブラシです。洗濯機のことは書いていません。
この1足の要点
- 品名TEFカラー ホワイト(ムーンスター。作り手の商品番号 11211031)
- 形甲にゴムのバンドが1本(バンドバレー型)。つま先に、底とひと続きの覆い。底は塩化ビニル(PVC。ゴム底ではない)
- 大きさ14.0〜21.0cmは1cm刻み、21.0〜28.0cmは0.5cm刻み、ほかに29.0cm・30.0cm
- 幅2E
この1足を買える所
広告楽天市場のムーンスター公式ショップ。作り手の店
- 値段税込1,760円、送料は別(税込3,980円未満は600円。2026年10月13日に確認)
- 注文で選ぶもの色はホワイト。大きさは、選び方の記事の測り方で
- 大きさの交換届いてから8日以内に店へ連絡し、連絡から5日以内に返送。家の中で試し履きした、キズや汚れのない物だけ。一度使った物、箱や札をなくした物などは受けない。買った人の都合なら、返送の送料は自分で(2026年10月13日に確認。細かい条件 ↓)
もう少し詳しく
- 色ホワイト。作り手のページの色違いは、ホワイトを入れて6色(レッド、イエロー、ブルー、グリーン、コバルト。つま先と底のまわりに色)。楽天市場の店では、ブラックも選べます
- 布と底布は綿(テフロン加工。テフロンはケマーズ社の商標)、底は塩化ビニル(PVC)
- 中敷き「Ag+抗菌防臭」(作り手の表示)
- 重さ22.0cmで片足約160g
- 作る所日本
- 交換の細かい条件届いてから8日以内に、先に電話かメールで店へ連絡し、連絡から5日以内に送り返す。部屋の中で試し履きした、キズや汚れのない物まで。箱・札・説明書・包みの紙などを汚した・傷めた・なくした・捨てた物と、一度使った物、箱に送り状を直接貼って送った物は受けない。返送の送料は、こちらの都合なら買った人(楽天市場の店の案内。2026年10月13日に確認)
- 洗い方作り手の「上履きの洗い方」のページ:ぬるま湯に靴用か中性の洗剤を入れてつけ置き、柔らかいブラシで中から外へ。水気をきり、中にタオルを詰め、かかとを下に立てかけて、風通しのよい日陰で。直射日光やドライヤーで乾かさない
- 困ったとき大きさの交換は、楽天市場の店(0800-999-1792)。使ってからの不具合は、ムーンスター カスタマーセンター(0800-800-1792。平日10:00〜17:30)が受けると、店は案内しています


